私の神様(1)
何から話せばいいのだろう。
ええと、私はずっとずっと、愛の出力がおかしいまま生きてきて、
それは多分、親との基本的な愛着が育まれなかったせいだ。
ただ幸いなことに、私は賢かった。
子どもの頃はそれなりに勉強ができたために教師から好かれ、
家では母から全否定されて育っていたが、
外では評価されるのでなんとかバランスを取っていた。
その時には、そんなことには気づいていなかったけれども。
青年になって恋人もできたけれども、
ダメな男や人間的に難のある男ばかり選んでしまい、
それでも、彼らを愛して、愛して、そして、
自分の望む愛が返ってこないことに絶望していた。
それでも「この人には私がついていなければ」というやりがいを燃料に生きていた。
その時には、まったくそうとは思っていなかったけれども。
そんなときに、後に私を生まれ変わらせてくれる人に出会う。
その人は、私の師だった。