安定と所属
ほんの時々、夢に私の先生が現れる。
正確には、私が出してるんだと思うけれど。
ただ、最近、「彼」なのだが姿が「主人」という状態が混ざるようになってきた。
多分、これまで彼が果たしてくれていた役割が、主人に移ってきたのだろう。
それで、無意識下というか概念として、彼と主人をどこかまとめて認識している部分が生まれたのだと思う。
なんだかそれは、複雑な気分になる。
親で得られなかった愛着の獲得を、彼を親代わりに代替したことで満たされていた所属の欲求は、今は主人との新しい「家族」という居場所に変わったのだろう。
彼も、主人も、確かに私の「戻る場所」だ。だから、私はそこから離れて辛いことがあっても、戻れば、安心する。
だから、決定的にダメになってしまうことだけは今まで避けてこれた。
私がひとりぼっちだったら、これまでの種々のストレスに耐えられなかったに決まっている。とっくに入院モノだ。
だから、こうやって生活が変わっても、安定した所属が確保されているということは、それは良いことだと思う。
けれど、やっぱり。少しだけ、さみしい。
戻る場所はちゃんとあるけれど、誰も―世界中の誰も、先生の代わりなんかできないはずなのだ。
それなのに私は、先生のいない生活に適応していってしまっている。
それでいいんだ。そうじゃないとむしろ困るんだけど、でも、やっぱり、悲しい。