届かぬ願い
わかるよ悲しみが人との距離を広げる
時間がもしも味方なら早く過ぎてほしいのに
あのでっかい肩にしがみついて
一番泣きたいときにいないから
ねぇ
どのポケットも思い出でいっぱいのその服を今日は脱いでみようよ
もしかして思うより案外平気なことに気づくかもしれない
大丈夫
最悪の時はもう過ぎているから
私も本当はまだよくわからないけど きっと
傷ついていいの
それほどに思える人と
そんなたったひとりと出会えた
私だから
どのポケットも思い出でいっぱいのその服にあえて手を通そうよ
どのポケットもあなたの愛が一緒に詰まってたことに気づきなさい
どのポケットも思い出でいっぱいのその服をもう脱いでみようよ
どの思い出もあなたの愛と一緒だから大丈夫
いかせてあげなさい
必ず心から笑える日はやってくるから
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どうしようもないと泣いてしまって、
でもそれが私にとっては必要なプロセスだった。
涙を流さなければ、いっぱいになってしまった感情のコップを軽くはできなかったから。
不安定な心を自分ではどうにもできずに、その混沌を聞いて落ち着けてくれるのは彼だった。
自分でできない仕事を、私は彼にやってもらうことでギリギリ生きていた。
不安定な私に共鳴せずに、それでもすぐ側にいてくれることが、救いだった。
いまでも、私の感情のコップは突然溢れそうになって、本当に困る。
表面張力でなんとか持ちこたえながらも、それでも根本的な解決はできないまま、ごまかしごまかしやるしかなかったりする。
ツラくなる。
叫び出したいほど、彼に会いたくなる。
「せんせい」
と呟くと、胸が軋む。
それでも、ずっと分かっているのだ。
ずっと一緒に生きていくわけではないということ。
どんなに望んでも、そのルートはないということ。
彼と一緒にいたときから、知っていたのだ。
私は、巣立っていかなければ、いや、もう巣からは飛び立ってしまったのだということ。
それでも私は願ってしまう。
「せんせ、悲しくて仕方ないんだけど、どうしたらいい?」と問えば、
またあなたが「今度はどうした?」って優しく困ったように聴いてくれることを。
もうきっと二度と来ないのに。