懐かしさ
昔の日記を読み返していると、
懐かしくて苦しくなる。
アイデンティティが拡散しまくって収集つかない私と、保護者のようにそれを見守ってくれた彼の、記録がいまは物語のように感じる。
そのとき何を考えてどう感じていたのか、すっかり思い出せなくなってしまった。
それでも、自分の文から滲んでいる、先生への全幅の信頼と親愛が、胸を苦しくさせます。
あぁ、私はなんてあの頃子どもだったのだろう。
そして、そのときには見えていなかったけれど、先生もまた、私を頼っていたのだとも気づく。
彼が辛かったであろうあの時期に、私の存在はきっと、意味があったのだ。
私が彼に受けた恩も、私が与えていた赦しも。
あのときお互いに、なくては乗り越えられなかったのだろう。
10年経って。あのときの彼と同じように、あの頃の私のような子たちに「先生」と呼ばれるようになって。
馳せる思いがあります。