私の神様(3)
「お前は変わったよ。いつも思い詰めたような顔して、俺のところに来てた頃とは」
そう、彼に言われた。やっと落ちついて、未来を見て生きられるようになった頃に。
『そうか、この人は全部分かっていて、それでもそのときにそう指摘せずに私に付き合ってくれていたのだな』と思った。
20歳から23歳頃まで、私は大いに不安定だった。
嫌なこと、回避したくなること、自分ではどうしようもできないことが起こると、心がグラグラして、大変な不安に襲われた。
そうなると、私は彼のもとに逃げ込み、抽象的な感覚を話し、泣いて、そしてなんとか自我を保っていた。
面倒くさいことこの上ないであろう私に付き合い続けてもらったことに、感謝しかない。
今思えば、なぜ他人なのにそこまで側にいてくれたのだろうか。
だって、なんなら恋人だったとしてもめんどくさいと思うレベルじゃないの?我ながら。
それでも、私はそのおかげでなんとか正常な思考を保っていたのだ。
逃げる場所がある。
それがそのときに、何よりも私の支えだった。